『どん底』 言葉の展覧会1104

もうどうしようもないほど
悲しくて暗く
真っ暗な

そこを抜けると
そこにぼうっと光がもれていた
  目に見えるか見えないかの光だ
  専門家や経済人には分からなかったが
  わかる人にはそれがわかった
ここはどん底
もうこれ以上は
落ちていけない
そう思うと
苦しみも少し緩和する
それにかすかな光
周りの者も久しぶりに胸をなでおろす



  それは幻だったのか
  言葉だったのか



落ちたときは何も分からなかったけれど
みんなお互い励まし合って
なんとか凌ぐことができた
そして
ほんのわずかな光
それさえあればあとは上を向く
どん底
  希望につながっている




※福島に住む詩人の和合亮一さんが放射能禍のなかで叫んでいる。「言葉で人とつながり、自分も救われた」「日本中の詩友よ、今こそ詩を書くときだ、日本語に命を賭けるのだ・・・お願いする、詩を、詩を書いてください」