『瓦礫』 言葉の展覧会1052

いちめん土色となったこの海辺の廃墟には
ところどころ車や船が横たわり
家がへしゃげ逆さになり
すべてがらんどうになった窓から
衣服やらふとんやら紙やらがちぎれたまま
いっぱい垂れ下がり
冷たい風に揺れている
その下にはコンクリの破片や流木
ドアや家財の破片が泥にまみれ
重なりあちこちに散らばっている
よく見れば
小さな山のような泥のかたまりのなかに
靴の片方、まな板、本、シャツ、CD、家族のアルバム、ペン、・・・
ほんの半月まえまでには
ちゃんと・・