『大地のふるえは死だ』 言葉の展覧会1048

かつてぼくは『大地のふるえは詩だ』という詩集を出した
あの16年前の阪神大震災の後だ
「大地のふるえは詩だ、というフレーズは素晴らしい。
たしかに、こんどの大震災は、眠っていた日常を、ゆ
りうごかしてめざめさせてくれた。当たり前とおもっ
ていること、それがそうではないと気づかせるものが
「詩」であるからだ。・・・」
と杉山平一さんから序文をいただいた
あの時はぼく自身の体験だった
でもいまは遠くから見ているだけ
今、もう一度書くなら
「大地のふるえは死だ」と
大地は残酷非道の牙をむいた
一瞬のうちにおびただしい死
・・・・
ぼくはあの時、こう綴っていた
「・・・・・
震災後50日目  私は週に一度しか入れない風呂に入り
ふと詩をおもい
生活を新たな目でとらえなおす
励みの詩を
立ち直りの詩を
私は新聞折り込みの広告紙の裏にこう書きつける
この記憶 戦争とともに
忘れるな! 語り継げ!」
死は詩につなげたい
鎮魂と
自分を見直す
希望の詩に




※今日、十何年ぶりに『大地のふるえは詩だ』(二十一世紀社)という詩集を思い出して(当時あまりにも高揚して書いたものなので、これまで恥ずかしくて読み返す気がしなかった)、読んでみた。もうすでに忘れ去っていたものが、甦ってくる。・・・・・