『老猿』 言葉の展覧会744

薄暮の空
枯れ枝の先に
やわらかに腰を下ろした
霜のように白い
老いさらばえた
一匹の孤高の


もの問いたげな
達観したような
心中を探るような
まなざし


夕闇が迫る
孤独の時
何を語ろうとしているのか
この私に


老猿を乗せた
枯れ枝がかすかにゆれる
あなたはどう生きるのか