『遺書』 言葉の展覧会726

別れてから20年が経ったのですね
この宝塚在住のわずかな時は夢がいっぱいでしたね


大浜五光さん
『遺書』を読ませていただきました
胃ガンで余命が後、4〜6カ月だなんて
泣けてきます
その告知が去年の10月
この本を送ってくださったのが3月
少し余裕ができて封を開けその本を読んだのが今日
ああ、あれから6カ月になろうとしています
・・・・・・・
・・・・・・・


大浜五光さん
もうあちこちにガンが転移して手を付けられないなか
あなたは治療や寿命よりも
自分のしたい生活、つまりいつものように
パートナーと共に 原野で暮らすことを選ばれました
大雪の中 除雪 薪割り 水汲み ・・・
自然のもとで


廃材を使って手づくりした竪穴式小屋で
電気ガス水道なしの
ランプと湧き水と 雨水と 薪と
またリスと 小鳥と キツネと シカと
そして4年前から恵子さんと共に原野で暮らす
北海道ベベルイでの必要最小限度の空間と生活
(こんな生活をするあなたからのお便りがぼくはとても楽しみでした
 多忙の中でホッとする清らかなひと休みでした
 それは大切なものをそっと預かってくれている年配友人の・・・ 
 ・・・・・ この20年間)


大学中退 職の転々 離婚 ・・・ 
かつての欲望肥大の空間
競争社会での右往左往
敗北と挫折からの
解放
不器用な生き方で辿り着いた
原野
少年の頃の約束


太陽爆発消滅までの
残された50億年
そのわずかな時の間で
ヒトの役割とは何でしょう 
文明の功罪を考えておられるんですね
そもそも万物との「協同」なんてありえるんでしょうか
この地球という自然のなかで
共に協に 動く
遊人
あまりにも幸せじゃないですか
大浜五光さん
やすらかにねむってください
あなたの原野で





※『遺書 ー田村了悟伝に代えて』大浜五光(ロゴス)