「山を歩く」言葉の展覧会655

なぜかよくわからないが
山に惹かれ山を歩く


山を歩く
道半ばを過ぎ
さまざまなしがらみと
たたのすとれすと
おしつぶされそうなひよわなみがらを
ひっさげながら山を歩く


きゅうなみち
いわだらけのみちいばらのみち
せけんのようなじんせいのようなみち
おだやかなははのふところのようなみち
しんかんとしていきかえるようなみちの
山を歩く


記憶と記憶の交錯
たよりにするわが足に
まかせて汗をかき
痛みを感じながら
山を歩く
行く行くは大地に還る身


老いゆくもの同士が触れ合い
つながる
愉楽に
山が笑う