言葉の展覧会594

このシンプルな身体の中に
血液の川が流れ
木の枝のような真っ赤な生命力は
すべて線に置き換えられ
合流しくっつき
いのちの繋がりを垣間見る
どこへ行ったのだろう
あの記憶は
あのとっておきの素敵な始原の記憶は
残されたユーモアだけが
この荒涼とした都会砂漠のなかで
涼しげに突っ立っている