「裏山からの微風」 言葉の展覧会526

わずかに緑が残された裏山が
微かにざわめいている
何かがいるような
何かがあったような


家の窓を開けると
入ってくる
なにをつたえたいのか
 なにかもどかしく
なにを知らせたいのか
 なにかざわめき
わずかに残された林から
吹き来る春の微風


半世紀前の
以前の家は瓦が少し欠け落ち
引き戸が軋む小さな古い家だったという
井戸があり小さな畑があった
近くにははっかくこふん


山の麓の我が家に
裏山から吹いてくる
心地よい春の微風
なにをつたえたいのか
 なにかもどかしく
なにを知らせたいのか
 なにかざわめき