「大地のふるえ」言葉の展覧会424

ぐわぁんっと
はね上がると
ぐらぐらっとゆすられた
うわっな、な、なんなんだこれは
うわわ死ぬんだぼくはもううううううう
暗闇のなかでゆれゆれゆれるーー
がたがたどしーんばりばりーん
音のなかでぐらぐらゆれる
あぁーーーーもう死ぬ


はっ
おさまった
くらやみのなかで
妻の名前をよぶ子どもの名前をよぶ


みんな無事でほっとしたなかで
しばらく落ちて壊れた物だらけの
薄くらやみの家の中を
呆然と見ていた


明るんでから外に出てみると
段差のできた亀裂だらけの道路や倒れた電柱
潰れた家傾いた家ひしゃげた家・・・・・
辺りにたちこめるガスの匂い
近所の人たちの狼狽える声


それから
またゆれるかもしれない不安の中で
死んだ人が次々発表されるなかで
水もガスもない生活が2ヶ月以上続いた


春になって
桜が散るのを見るとはなしに見ていると
ぼくはおもわず立ち竦んだ
そうだ
大地を人間は借りていたんだ



※〜13年前のあの「阪神・淡路大震災」を思い出して〜