「茶色い瞳の少女」 言葉の展覧会250

遠くを見つめ
何かを思いこんでいるような
茶色い目をした少女


差した傘のなかで
青緑や赤紫やオレンジ色のしずくが降っている
短いチェックのスカートから
白い素足を交互に出して歩いている
世界を拒んでいるようで
世界を受け止めようとしている
きたるさかりの日のために
少し刺々しく牙を磨くことだ
知を磨く3冊の本と
ひみつのしるしの入った鞄をしっかり持って


グレーの世界のなかで
この1点だけがほの明るく
未来が託されている