「美しい顔」 言葉の展覧会246
ついさっきの顔と
いまの顔はちがう
きのうともちがっている
その女(ひと)の顔を思い浮かべれば
はっきりと出てこない
やわらかな魅惑のベールに包まれたようで
いつまでもいつまでも見続けていたいような・・・
おぼろに かすんで
つかみどころがなく
何か奥に秘めているなと思えば
たちまちさわやかになって
こんどは理知的なものが輝く
それはとても懐かしくもあり
その懐に入っていきたいような
永遠なるものを孕んでいる
・
※『アルゼンチンババア』よしもとばなな(幻冬舎文庫)を読んで
ほんのときたまだけど女の人の中に、みずみずしくて八変化するような魅惑的な顔を発見することがある。
この美しい顔は、若くて初々しい時だけにあらわれてすぐに消えてしまうひともいれば、いつまでも続いているひともいる。ときどきあらわれるひともいる。
美しい顔のひとにもっとあいたいものだ。