「心の奥にひそむもの」  言葉の展覧会181

たんたんと
淡々と
した日常の会話のなかに
通勤カバンのなかに
電車の座席に
家族の食卓に
ひそかに入り込んで
少しずつ増殖していく


嘘と建て前の
奥に隠されている
暗黒で
憎悪すべき
不気味なもの


肉食動物の本能といったらいいのか
隠蔽されている脳幹といったらいいのか
心の暗黒荒野がひろがっている
あの政治家のなかにも
あの経済人のなかにも
やさしそうなお父さんのなかにも
画面をにらむ子どものなかにも
この私のなかにも
じわじわと


ときどき
そんなものが
なにかのきっかけで
露出する
暴力●



※愛知の銃所持立てこもり事件、福島の少年による母殺し、長崎市長銃殺事件等驚くばかりの事件が世間を騒がせている。最近私たちは、矢継ぎ早に起きる凶悪事件にマヒしてしまった感もある。これらの事件を噴出させてる社会の裏には、人間の心の領域にじわじわと浸透していっている暴力があるのではないか。ごりごり右翼チックなアベさんを筆頭にトップを握るタカ派政治家連中(自民党内では1割ぐらいだそうだが)が戦争のできる国にしようと暴力を容認し、表に出そうとしている影響は大きい(集団的自衛権解釈改憲しようと企む、アベさんがつくった有識者会議ってのはひどいもんだ。こんなことをすると立憲主義が成り立たない!!〜守らなければならない国のルールを一番トップの者が守らなくなるなんて?!〜)。
もうすでに社会の底流に暴力が流れ込んでいる。いまこの国は、またかつての暴力容認社会にもどった。
これからもどんどん、大なり小なりの様々な暴力が吹き出していくことだろう。
恐いのは国民が、露出するそのような暴力に何も思わなくなることだ。行きつくところは、人間の攻撃本能を上手くくすぐり暴力そのものを内だけでなく外へも振りかざす、暴力社会だろう。
無意識のなかに浸透する暴力はとても恐い。