「フリーターの訴え」  言葉の展覧会170

失われた10年に
経済からふるい落とされ
人生そのものを奪われた
オレは30過ぎのフリーター
毎日はたらくのに疲れ果て
生活のために稼ぐなけなしのお金は
酒やテレビの一時的な娯楽に
ああ つらいなぁ
低賃金の
貧困労働層
少数派の
働く機械


非正規のオレには絶対回ってこない
利権
恨んでやる
安定した正規労働者と
分断を放置する傲慢な左派


こんな負け犬のオレに
けっきょく吐かれる言葉は
自己責任!!


ならば
別の評価軸
固有の「しるし」で規定し
硬直化した社会に流動化をもたらしてくれる
戦争の方がまだいい
革命よりも戦争がいい
こんなこと欺瞞に過ぎないのだが
戦う機械なら
オレの自尊心を回復してくれるかも


だが オレの願うのは
平等の観点から公平な再配分がもたらす
生活の安定と
自尊心の満足


どうだろうみんな
この日本列島に 
オレのような奴がいることを
少しでも考えてほしいんだ



※”けっきょく、「自己責任」ですか”(赤木智弘)ー続「『丸山真男』をひっぱたきたい」ー「応答」を読んでー 〜『論座』6月号(朝日新聞社)〜を読んで