「マーガ②」 言葉の展覧会88

あのことがあってから
内側からかぎりなく崩壊しつづける
少女
いつしかかくれんぼ


かくれた少女は
いつまでも出てこない


     消える


残された沈黙のゆりかごは
かすかに揺れて


     落ちていた貝
     耳に当てると
     遠くから
     海の声


海に抱かれて
少女は眠っている
卵を抱えながら


     深海にひっそりと
     哀しみがすんでいる


いのちって儚いもの
マーガ
泣かないで


     コップから零れ落ちる
     海の
     なみだ