「ひとり日和」 言葉の展覧会86

aiueokaki2007-02-12

哀しみも苦しみも喜びも
たんたんと淡々と
静かに過ぎる
彼方此方に潜んでいる
都会の孤独


つきまとうさみしさの
予感
恋愛という人生のひまつぶし
老いも若きも


くっついてははなれる男と女
入れては出して
生命の営みは消滅するまで
永遠に続けられる
けだるいリズム


ふと
ながめる人盛りの駅のホーム
わたしは世界をながめているが
わたしも世界からながめられている


※『ひとり日和』青山七恵文藝春秋3月号「芥川賞受賞作品」)読了。