言葉の展覧会55

現代詩よ着地せよ
浮遊した観念の遊びが横行
との杉山平一さんの言葉
頭がイタイ
イタイイタイ
阪神大震災の前までは近所付き合いで
杉山さんの歩く姿を見ているだけで
なんかこう
敬虔な心になって
家にあがらせてもらったときも
なんかこう
しゃちこばって
孤高でいて庶民的で
ぼくみたいなものでもつきあってくださって
杉山さんとこから千の風が吹いてきても
ぼくにはわからなくて
飛んでいる凧も糸が切れて
空にふわふわ浮遊しているだけ
未だ着地はできず
彼方に霧消して・・・


杉山平一さん
あの坂はたいへんですね
家まで上がっていくのも息切れがして
93歳になっても
現役の詩人であり続け
ゆっくりと歩くその後ろ姿に
なんかこう
失われたものが見えてくるのです


毎日新聞夕刊「文化欄」(2007年1月12日)を読んで