言葉の展覧会43

散文は歩く
いそいそと歩く
時に悲しくとぼとぼと
時に苦しげにもんもんと歩く
時には寄り道をするけれど
着実に目的地に向かって
歩く


詩は踊る
りらりらと踊る
リズムに乗って楽しげにるんるん
優雅に狂おしく踊る
音を鳴らし歌を歌って
時に激しく時に静かに
目的はなく自由に
踊る


散文に詩
文学で遊ぶ
言葉は芸の術を覚えて久しい
人間は言葉を生きる糧にしてしまった
その裏切りも含めて

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 今日は田舎で、「しずめ」という係役がまわってきたので村の公民館へ行った。「しずめ」というのは、村の会計の決算報告をし、配当をもらった後、みんなで会食をするという村の寄り合いだ。その係役当番は、ぼくを含めて5人。これは順番で決め、中心になるのが順番の最初に当たった人Tさん。ぼくらは正午に集まって机や座布団を出して並べたり、あらかじめTさんが用意してくれていた弁当やお茶、ビール、酒等を配したりした。この組の村の人(33人)が来ると、酒を注いだり注がれたりして飲食した。女の方(3分の1ほど)はお茶を飲んだり、ビールを少し飲んでそそくさと帰られた。残った男は年配も若きもなんやかやワイワイ言って飲んでいる。ぼくら係役は酒の燗をしたり注ぎに行ったりでてんてこまい。そうこうしているうちにもう夕暮れ。
 配当(松茸山の収入等からの)一軒につき2千円ちょっとをもらったが、係役はこの「しずめ」の飲食費を出さなければならない。飲食に使ったカネを当番5人で割って一人5千円弱支出。
 「しずめ」はもうずっと前からあるそうだ。以前は、今のように弁当ではなく、係役5人でおでん等のごちそうを作ってみんなにふるまったそうである。村人の交流と楽しみ方のひとつなのだろう。ぼくの田舎は宝塚の北部にあるが、こういうふうな付き合いがたくさんあり、昔ながらの村落共同体が健在だ。みんな名前と顔を知っており、良くも悪しくもみんな親しく付き合っている。モダンの街からクルマで20分程北へ行けば、プレモダン。