『お守り』 No.3606

これを持っていると
なんだか自分が得体のしれぬ大きなものから
守られているような気がします
何かやわらかいものに包まれて
ぬくぬくとやっていけるような

 

悩みや辛さが多くても
ゆがんでもよじれても
冷たくなってしまっても
大きな声で泣きたくなっても
大丈夫だよって言ってくれる・・・

 

軽くてぺらぺら
小さくてひらひらですが
なくてはならない大事なだいじなもの
人はそれを見つけて
ああ、と気づきます

 

わたしもそんなお守りを持っていました
あのときまでは
忘れないで気付かって
肌身離さず携えておけば
放り出さなければ・・・
とてもあたたかで
それは素敵な生活がおくれていたかもしれません

 

わが子どもたちに
心底からやさしくしておけばよかった
いっしょに木に登り川に遊び野を駆け巡る・・・
毎夜、眠るまで絵本を読んでやることはしたのだが
自由をもっと・・・
夢を乗せた遊覧船で
宇宙をプカプカ浮かんでいたり

 

すれちがいこすれあい
ゆがんだアウトプットに
閉じられたインプット
ヒトの群れはかなしげな歴史

 

無垢なおさなごがもっている
見えないところで
かがやいている
お守り