『大雨』 * No.3287

天から滝が落ちる如く
雨が降りしきるとき
宙よ
あなたの降らす処は
みずみずしい地球という
いっときの仮の姿
地面をたたきつけ 川を怒らせ
人を困らせる
だが、木や草、蛙、それに野菜たちや
水辺の生き物たちは大喜びしているではないか
ハッと 思いなおして吹きなおる風よ
さまざまに流れる水よ
風雨の向こうは宙ばかり
あなたは・・・


フッと こんなときその人は
遠い彼方、だれも見えないところに 虹を見る
苛酷に荒ぶ地表を突き抜けた奥の奥


かすかに
ジッとみつめようものなら
消えてしまいそうに