『鶯の朝練』*No. 2932

春の殻がどこかに潜んでいて
じっとこちらを見ている
・・・・・・     ケキョケキョ
常に降臨
無邪気な子どものように
はしゃぐ
・・・・・・・     ケキョケッキョ
ああ、適わない
こんなことって てんで私の度量に
な    い
ぼんやりと
見えない向こうの
くったくのない明るく清らかな
           ホーッ
           ホーッ

春の殻は笑う ケラケラと笑う
私は知らんぷり
生きることが不自然だ
ぎ・こ・ち・なーーーい
・・・・・     ホー ホーケ  キョ
重い殻
重圧として君臨
これは自然じゃない
まったく
なんてもどかしいんだ
依然として殻は殻
   空回り
・・・・・・     キョキョ ケキョ
呑み込んだら
また
           ホーケキョ
様々な茶色からの芽生え
まずは黄緑萌えぎ色
そしてグラデーションの多様な緑、緑、緑
遠ざかり近づく青い殻
見え隠れする夢
まるで何か
うとうとと
眠ってしまいたいような
           ホーホケ