『皇帝の名残り』*No.2552

早春の吐息が聴こえる
朝の曇り空の下
未熟なウグイスのバックミュージックにあわせて
皇帝は踊る
春風に乗って 優雅に
あの黄金の日々の
華麗な荘厳さを
すっかり脱ぎ捨て
実にあっけらかんと
皇帝は踊る
枯れた死後も
踊る


あらゆる虚飾を洗い流して
なんと胸のすく姿だ
あっ
雨がぽつぽつ降って来た