『順さんを想うと』*No.2551

こうして歩いている今
目に映る初春の
寒さに耐えながらいまにも息づこうと
している野山
いまだにねむりつづける田畑
刻々変化してゆく空
その下でさえずる鳥たち
遠くの家の中での団欒
足元でひっそり花咲く名も無い野草
そんなものが
妙に新鮮に映り
感動する
もうこの世ともお別れ
もう死ぬんだ
ということを想い浮かべると・・・
ただ想い浮かべるだけだけれど
・・・
順さん
そう想うときが
はじめてやってきたよ
美しい詩をありがとう




※「順さん」は、高見順