『若い男の背中』*No.2490

よれっとしたラフな服を着て
ポケットに手を突っ込み
街なかを歩いている
セカセカ歩く人たちを横目に見て
こころの趣くまま
裸木を触り、新芽を見つけ
川をみつめる
公園のベンチに座り
子どもたちの遊ぶ声を聴く
ポカンと浮かぶ雲と
その向こうの青い空を眺める
夕暮れには
ゆるくつながっている仲間の家を訪れ
夕食をいただく
ありあわせのものでつくったセンスのいい食事
「何もありませんけど」
「いえ、ごちそうです。いただきます」
歓談しながら
時はゆっくり流れる
「いつでも来てください」
型にはまり込んで
時間に追われあくせく
気張らなくても
気のむくままに
食うに困らない蓄えと
そこそこの稼ぎのお金と
おもいと言葉を同じうする友だちと共に生きていけます
 

若い男は背中でこう言っている
爽やかな背中だ