『わたしのなかの別人』*No.2419

わたしのなかに
隠れていて
気付かない別人がいる
ときどき 何かの拍子にひょろりと顔を覗かせるが
すぐに引っ込める
それが定かでないので気付かない
奥の方で  
さかんにメッセージを発しているようだが
わたしには分からない
ときどき 突き動かされるときもある
挫かされるときも 助けてくれるときも
ハッとさせてくれるときも
こころを洗ってくれるときもある
別人は女性のようであるが男性でもあるらしい
彼女、あるいは彼を見つけるために
わたしは旅を続ける
たまに自分の中から
澄んだ声が聴こえてくる
清く生きてねー
清人っていうんだからね)