『赤子を抱いて、雨の中』*No.2225

降りしきる雨
もう夜中


なのに きみは
赤子を抱いて
叫ぶ


寝ていませんよ
昨日から明け方まで
と隣りの若者


あの重固い建物の中まで
届いてほしいこの怒り
聞いてくださいこの声を


厳めしい建物の中では
この外とは全く無関係
内と外とのこの落差
もみあいへしあったなかで
数の力で 強行採決


きみは雨が降りしきる中
暗い建物を キッと睨んで
明るく言う
「成立してからでも
やり続けますよ」
赤子とともに