『台風のあと』*No.2222

局地的に豪雨をもたらした
台風が 去って わずかに青空が顔を出した
ある東の地は泥の街になった
ある一画で
流された家の跡地の 異様な泥を見る  
自失呆然とした人の 姿
ジーッと 動かないまま
雲間の 奥の
空の彼方 から 無常の鐘の音が 鳴り響いている
昨日の一家団欒は今日の夢まぼろし
いつまでもある ものではない
家も家族も、そして このおれも・・・
ただジッと 動かないまま
  これまでの自分と
  これからの自分を見つめている
だから
 だからまた つくるしかない


泥だらけの大地に
ひとつの場処を