『裸木』*No.2085

にぶい冬の光
青いキャンパスに
幾重にも線描された土色の毛細血管
見事に浮き立って
失くしてしまったものを想いながら
蕾がひそんでいるのも分からず
遠くからぼんやり眺めている
見え隠れする都会の喧騒に魑魅魍魎
やがて
白雲の背景に移り変わり
みょうに裸木がまぶしくなる