『詩情を大事にする寛容さがあるか』*No.2067

「言葉が出ません」
と言いながら次から次へと
めったやたらに言葉が飛び交い
言葉があふれるだけの
何かが失われてしまった
てれびのがめんを消して
目を向こうの窓に移してみる
沈 かに
黙 ったまま
眺めてみる
人の暮らす家々に山、その上の空
耳を澄ませば
鳥の鳴き声に物を打つ音、ときどき車の走る音
いつも傍に在ってくれて
刻々とうつりゆく
しあわせながめん
気付かない

言葉の
またあらたな立ち上がり