『二つのりんご』*No.2057

aiueokaki2015-01-27

二つのりんご
テーブルに
並んで 冬の真っ只中


二つのりんご
背景は遠のく
存在の重さ


うっすらと冬陽が
二つのりんごにあたり
胸騒ぎ


二つの影が
ひそひそと秘密の話する
午後のひととき


ゆらり
立ち上るまぼろし
青く甘酸っぱい春のふたり


二つのりんご
やがてちりぢり消え
宙に舞い上がる


二つのりんご
日々見つめ合って
冬を越す