『水たまり』*No.2055

aiueokaki2015-01-25

ふっと
目の中に入った
水たまり
真冬にできた幻想
雪の
名残
広がる血管脈を映して
村の掟を越えて
世間の手触りなんて
言いたいことがいっぱいあった
夏の木
でも今は冬
言いたいことなど
実は何もなかった
いっときの幽閉
ただたんに
いまここで
存在しているだけ
道の
くぼみ
わたしのまだ知らない
わたしの移ろい
感じ方
やが

消える
限りなく大地の窪みに
近づいて
まぼろしの木
冷たい風に
ゆら


~