『忘れまい』No.2047

眠りの闇の中から
ドーンッ グラグラグラ
と突然
とつぜんの揺れ
物が倒れあちこちで落ちる音
叫び声
暗闇の中
隣りの部屋から「お〜ぃ、だいじょうぶかぁ」
「だいじょうぶだよ〜」
お互い生きている喜び
しばらくして薄っすらと見えてきたのは
グチャグチャになった家の中・・・・・・
家を出ると、ガスのたちこめた臭い
道路の亀裂、倒れた電柱、壊れた家・・・
近くの駅前の市場は家々がぐしゃりと全部倒壊し・・・
・・・・・
突然の生と日常の遮断と亀裂
あのとき、死んだ人
なにもかも
何もかもぶち壊された人たちがいた
とんでもない不幸のどん底
やがて悲しみの到来
深く深く
・・・・・・・
もう20年が経った
時間が忘れさせてくれるという
・・
だがまだ20年
阪神大震災
あの時を忘れまい
けっして