『ほこら』言葉の展覧会1285

この田舎には
小高い山のふもとに
ほこらがある
ほこらの中は奥へ奥へ深く
山全体に至る
ほこらの外はそれは見事な自然
横に山からの澄んだ水が川となって流れ
川べりに花が咲き乱れ虫は戯れ鳥は飛び交う
土は肥え生き物は活動し その恩恵で人は営む
川は広い広い海に通じている
その両側に脈打つ山があり
これらが動くとき
ほこらは潤い 夢中になり
異界に通じる
生と死が出入りする
ほこら