『言葉は壊れない』言葉の展覧会1261

aiueokaki2012-02-25

言葉は壊れたと言われるけれど
どっこい
言葉は壊れちゃいません
言葉は最初から不完全で貧弱で生成してきました
言葉ができてたかだか5千年です
未だに発展途上で未熟でもあります
あの良寛親鸞の言葉は壊れたでしょうか
方丈記」や「平家物語」の言葉が壊れたでしょうか
厄災の後、これらの言葉が甦ってきたじゃありませんか
壊れたのは、つまり
「便利」や「効率」、「成長」や「成果」といった言葉じゃありませんか
それに、「個性」や「自分さがし」と言ったものでしょう
でもそれに気づいていない人がほとんどです
おそらく数十年後もそうでしょう
そんなものなんです世の中なんて



あの時、壊れたと錯覚したのは
一瞬、言葉以前の大自然の世界にもどっただけ
圧倒的な現実に戻っただけ



どんな闇の時代であろうと
言葉は壊れない
人はその闇を表す言葉を紡ぐから




言葉は壊れたんじゃない
見えなくなっただけ
言葉は生々しくすばしっこい
言葉は流れる
言葉はコトでありヒトやモノの体験である
言葉は「言葉が壊れた」という言葉を呑み込む
言葉はたんなる言葉を越えていく
ものを孕んでいる
孕む
世界を
新しい世界を孕む
言葉は創造
言葉は意味をつくる
言葉は歌う
言葉は描く
言葉は滑稽、言葉はすっ頓狂
言葉の戯れ、
闇は消えて
夜明けに変換する
言葉はこんなにも面白く
愉しい








高橋睦郎「いまは」への返信、あるいは佐々木中の書き換え。