『交差点』 言葉の展覧会1196

aiueokaki2011-12-14

きみはやってきた 軽やかに
片手にハート模様の紙バッグをぶらさげて
交差点の片隅 傷ついたぼくの前で 立ち止まり
満面の笑顔で見つめる
くじけちゃだめだよ
まるでそう言ったかのようにぼくを見つめた
何百何千人が往来する中で
パッと きみだけが光っていた



しばらくしてからぼくが元気をとりもどすと
かけがえのないもの
とりかえしのつかないものを残して
きみは人ごみに消えていった
愛らしく



ポッと灯って
ポッと消えた
一瞬の 



あれからぼくはきみによく出会った
きみは微笑み
ぼくに語りかける
大丈夫! 元気を出しなよ
悲しいならしばらく悲しんでいようよ
出会いは新たな始まりとなり
すっかりぼくはきみのとりこ
奥に秘めた清純さ
ひとりよがりのぼくの恋だけど
だいじな大事な何か
いつまでも



あれから何年も経ったけれど
いまなお心の交差点で
永遠の恋人のきみが
微笑みかける





        ・「もうひとつのMARGA その3」