『雲をつかんだ話』 言葉の展覧会865

aiueokaki2010-02-13

坂の上の雲を目指して
登ろうよ
そこへ行けば誇り高くかつての栄光が蘇るよと
誰かが明るく声をかけたので
疲れて果て不安になっていたみんなは
もう少しがんばるかと
仕方なく坂を登っていくことにした
途中の茶店
「希望」が売られていたが
みんなへとへとになっていたので
誰も見向きもしなかった
頂上らしき所に近づくと急に
霧が出てきて
辺り一面が真っ白になってしまった
たちこめた霧の中で前が見えず
ある者は崖から落ちてしまったり
ある者は狂ってしまったり
泣き叫んだり途方にくれたり
もう大パニック
・・・・・・
それは霧じゃなく雲だったという
とてつもなく愚かで恐ろしい
雲をつかんだ話でした
チャンチャン