「物憂い春」 言葉の展覧会741

気怠く
物憂い春
誰かが叫ぶ
それでいいのか
そんなことで


よく見れば
枯れ枝が叫んでいる


かたちを踏襲して大設定とせず
固着した観念に溺れずこの現状を見据え・・・


枯れ枝は今にもポキンと折れてしまいそうになりながら
声を振り絞って出している


草たちははどう答えていいのか分からず
たじろぐ


枯れ枝の叫びは
たちまち青空に吸い込まれていく


たんぽぽの綿毛が微風に舞う
春は物憂くのんびりと過ぎる


この世界との距離をどう埋めればいいのか



   ・ー*