言葉の展覧会678

ぐしゃ
っと大きなクルマに轢かれて
ぼくは潰れた
いとも簡単に
音は一瞬に
猛スピードのなかで響き
次から次へと押し寄せてくるクルマで
センベイのようになったぼく
過去も未来も
道にへばりつき
なにもかもぺしゃんこ


クルマが通らない静かな夜
ぺしゃんこになったぼくは
いつしかさらっと吹いた風にのって
ひらひらと
海の方へ舞っていった 
沈黙したままの海へ