「ある都会の光景」言葉の展覧会666

ビルとビルの谷間
上空は曇天
華やかな看板は白黒になって
孤独だ
走り書きをする線のように電線は苛立つ
エアコン装置がびっしり取り付けられ
どこもかしこも暑苦しく回っている
淀む風
ポジとネガを往ったり還ったり
ひたひたと
重いカバンを持った中年が
砂漠の中を通る