「小さな花」言葉の展覧会374

こんな荒っぽく粗雑な世界で
きみはちっちゃくてはかないものを大切にしている
まわりは濁り汚れていても
きみの目は輝き笑っていた


ひとが素通りしていく街角
誰も見ようとしない道路の片隅
コンクリートを破って
名もない草が小さな花を咲かせている


きれいなもののなかにきたないものがあるように
きたないもののなかにきれいなものがある
見ることも触れることもできないけれど
きみの心のなかにある
たいせつなもの


ひとりぼっちになったときに
何をおもうのだろう


きみは立ち止まり
じっと見つめていた
ちいさな
花を