「62年目の夏  8月15日」 言葉の展覧会269

「戦後」は遠くなり
      蝉が鳴く暑い夏


あの戦争の匂いが
また匂ってきたこの夏
だったが
なんだかこの匂いおかしいぞ
と思った多くの人々が
避けた
柄谷行人の「日本人の精神分析」は当たっていたんだ
やっぱり


ふつうの人がふつうの感覚で
戦争の匂いを嫌った
(ねんきんやせいじとかねだけではない)


このままいけば
美しい国」のために
「特攻」だとか、「玉砕」だとか、「英霊」だとか
もうとんでもない恐ろしい方向に行くはずだった


(日本人は美しい国のために戦争する機械、
特攻隊は敵艦にぶつかる自爆テロ機械、
「英霊」は無駄死、みじめで惨い戦死者を覆い隠す言葉、・・・・)


暑い夏だが
喜びの夏でもある
この夏
日本人の多くは戦争の匂いを嗅ぎ
それを嫌悪したのだ