「虫の視点」言葉の展覧会214

あるべき姿が見えない
ありように自信がもてなくなっている


それは美しい言葉に欺され
恐ろしい方向へ引っ張りこまれ
大切なものがくずされようとしているから


このままいけば やがて巻き込まれ
無意味な死を遂げさせられるだろう


ないよりましや
自由にわあわあ言うて
日々細々と続ける虫たちの世直し


地を這う虫の目で上を見れば
広大な宇宙


虫に根差し
虫の視点で世界を変える
虫の平和への努め


死が目前でも言い続けるしかない



※戦争のできる国へまっしぐらに進んでいる大変動の時代のなかで、普通の市井の人たちに「平和」への道筋を歩んでほしいという遺言であろうか、実に痛々しい。虫=小さな人間=市民の目をもちたいものだ。死を見つめる病床の小田実さんの言葉を聞いて。ー『小さな人間』の平和へ(神戸新聞6/18,6/19「文化」)
小田実よ、平和への道筋ができるまでもっと生き続けてくれ!