「青い夕暮れ」 言葉の展覧会126

あいまいな時間は
なんと胸をしめつけるのだろう
わたしはよろよろと
青い世界を彷徨う


別れたはずなのに
いつも夢に出てくるあなた
もう何ヶ月も経っているのに
おもいだすあなた
逝かない恋
青い夕暮れは
たよりなくもどかしく
哀しい


ばら色の昼は終わり
ほろ苦い風が吹いて
ぬるい眠りを覚ます
指先が青く染まって



※『ぬるい眠り』江國香織新潮文庫)を読んで