言葉の展覧会27

都会は灰色雲が覆って
冷たい雨が降る
ぼくは傘もささず
銀杏絨毯の上で佇んでいる
きみは雑踏の中に消えた
喜びも幸せも何もかも消えた


こんな生活をしているのは
こんな仕事しかないのはサイテー
負け犬よってきみは言った


こころの支えがポキリと折れて
どうしようもない気持ちが覆う
怒りは寒空に剥奪される


つまりはぼくのせいなんだ
ぼくがいけないんだ
今日も深夜の喫茶で突っ伏して寝る


もうぼくは若くはない
捨て猫
この社会では見えない捨て猫
どうすればいいのか
どうすれば


*『論座』1月号〜特集・「現在の貧困ー困窮する若者と貧困ビジネスの実態」〜(朝日新聞社)を読んで