詩を書き直す 暑くる詩ぃ〜！！
〜以前に書いた詩をちょっと書き直した。〜
『壊れた山にもミチシルベはあった』
ときには優しい詩も書いてみよう。
今はそんな詩が必要なのかも。
なんだか妙にきな臭くギスギスして
住み辛くなったこの世界に向けて。
開かれたと思っていたものが
固く閉じられていた
吹き出す血 の汗 喘ぐ息 息 息
険しい山道を信頼を背負って登る
壊 れ た 私
数や強さの信者ばかりが足早に私を追い越していく
懲りない信仰と
厄介なる自分の塊
ただ喋りたいんだ
あちこちのケータイからひっきりなしに
漏れ来る空虚な声たち
あるいは叫び
禿鷹に食べられることを怖がって
でもかれらはやがて
谷底へ落ちていくだろう
地獄へ真っ逆さまに
壊れた人間が
先の見えない道を歩く
冷笑と吐きだめばかりの
ぺらぺらな言葉が電波に乗って
ふわふわ漂い
やがて小さな粒子になって
パーーッと散り
消えてゆく
霧が出ているんだ
と自分を誤魔化して
示されないものと
影で蠢くものと
死者をこの山に葬り
隠蔽したのは・・・
自由という不自由な世界
死者たちを裏切り
欺瞞を二重に覆う
あちこちからぬっと滑稽さが出てきて
舌を出す
はるか彼方で嫉妬と怨念の遠吠えがする
壊れているから何も分からない
道端は自家中毒を起こして
枯れた花ばかり
この一つ一つにも作られたドラマがあったのだが
毎日どっぷりつかりこんでいたので
へたれてしまった
見かけは強そうに見えるが
煽られただけですぐ靡きすぐ折れる
すでに枯れているのだから
おお、この傲慢さ！
周りの木はみな
根っこがなく
幹は皮ばかりで中は空洞化
枝は腐っているのに
葉だけが茂って
からっ からっ からっ ぽと
音をたてている
不遇な嘆きを嗤うように
後ろめたさと欺瞞と
苛立ちと
落ち込んだ心を
袋に仕舞い込んでよちよち登る
山から逃げるために山に登る
山の現実から逃げろ
逃げろ
がれき 瓦礫
いまこの世は瓦礫が覆いつくそうとしている
この山は壊れたものたちがつくった山なんだよ
壊れた人が壊れた世界をつくる
瓦礫瓦礫瓦礫瓦礫・・・・
さぁ、逃げろ！
山に向かって
行きつくところまで行けばいい
行きつくところまで
もう壊れているんだから
かるくかるく
行きつくところまで行ったとき
どこからかそよと風が吹いて
ふぁんふぁんふぁーんふぁーん
ふぁーふぁーふーふーっと
不安を真っ白い雲の中に
追いやり閉じこめてしまった
瓦礫の殻をほんの少し破ったのだ
靄が晴れて心地のいい
さわやかなそよ風よ
だがまだ残っているものがある
こうすればこの山を登れるんだと
示してもらうのはもう止めにしませんか
山への感動を与えてもらうのは
もうよしましょう
なぜ壊れてしまった危険な山に
登らなければならないのか私には
さっぱり分かりません
（病んだ人は山に飢えているんですよ）
ヒトがどんどん壊れていきます
この虚構の山に
死者がたくさん出ます
何度も何度も自己破壊を繰り返して
痛苦の実存から実存の痛苦へと
転換したが
あるのは壊れた瓦礫の荒野ばかり
壊れていく分岐点はどこか
その徴候を集めよ
私は石ころを拾って
おもいっきり投げた
壊れた世界に向けて
この愚行！
いたい
いたい、いたい
この痛みは何だーーー
あの投げた石が自分に当たったではないか！
上を見ると、あっちからもこっちからも
石ころが飛んできた
私は避けるのに必死だ
いたたー また当たった
・・・・・
しばらく私は動くこともできなかった
・・・・・
しかし
超越した山のあちこちに穴がいっぱい開いて
風が通り出したではないか
そこにさまざまな命が行き交っている
敵対性を受け入れたのか
ああ、まだいたい
壊れた世界を壊して
隠されていた偽記憶を消し去って
風が吹き抜ける
いたい！
大勢からはなにも生まれてこない
それは自滅への谷底
腐った動物たちの
偽装の山の偽記憶地獄
新しい道はほんのささやかなものから生まれてくる
隠れたミチシルベ
それにしても まだいたい！
やがて壊れた世界は風に乗って
空に吸い込まれていく
偶然にも
気がつけば空にうつる私
いつのまにか私は空になっていた
そうか私は空だったのだ
空という他者なのだ
壊れた世界を吸収して
空は何もかも青
青、青、青！
希求の青！
さあ、信じることから始めよう
まず再び考え続けることから
謝ることや許すことも必要だ
不可能性を打ち破って
陳腐になった言葉にもう一度息を吹きかけて
さあ、夢を 希望を 愛を 再生を 語ろう
今こそ恢復の言葉を
痛みをちょっぴり残して
どこからか種が飛んでくる
卵が産み落とされる
でもまだ恢復しちゃいない！
ちっとも
夢はなくてもいいのかもしれない
希望は持たないほうが・・
空は見つめつづける
空は空のまま
どこかでだれかが空を見つける
またどこかでだれかが
