小さな悪意 大きな悪意

空中に漂っている
悪意をひっつかまえて
もみくちゃにして
それをおもいっきり遠くへ投げてみた
すると
青空を破って
ぐんぐん進み
宇宙の闇に呑み込まれていった

あちこちに悪意が充ち満ちている
小さな悪意 大きな悪意

クロマニヨン人の末裔
攻撃的で獰猛で性的な動物・・・



  最近、「悪意」ということをよく考えるようになった。人を貶める、虐める、蔑視するというのも悪意の枝かもしれない。芽は倫理観の欠如はもとより嫉妬や無神経なエゴイズム、そして自分以外はみんなバカという他者軽視、仮想的有能感かも。
 「悪意」の中にも小さな悪意や大きな悪意があるようである。とりわけ小さな悪意はまだ見えないで隠れている。何かのきっかけでそれは吹き出し、人を貶めたり、危険なめに合わせたり、ダメージを与えたりする。哀しいかな、ホモサピエンスであるぼくの内にも芽は潜んでいる。大きな悪意は人類や生命を破滅に持ち込む畏れがある。
  この市内で獰猛なカメが2匹、溝に放たれていたという新聞のニュースがあったが、これは小さな悪意かもしれない。レイプなんてものも自分の性的欲望の充足のみを考えた悪意だろう。親殺しや子殺しはどうだろう。
 大きな悪意は、かの国の外交カードとしての(金融制裁を解除するための)ミサイルの発射かも・・・
小さな悪意も大きな悪意も相乗効果で、今の社会の中にどんどん肥大していっている。
今日の列島社会は寛容さが無くなり、競争と悪意だらけの社会になってきているのかもしれない。
これから未来にもっと悪意が広がっていったら、困るなぁ。



      ************
『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)読了。ちょっと「悪意」というものを考えてしまった。
伊坂幸太郎の本を読むのもこれで3冊目だ。ちょっと彼にはまりそう。