「退行現象」、「退化」、「思考停止」

「退行現象」とか「退化」、「思考停止」という言葉がある。この列島に住む住民の心性を見ていると、ここ数年だがどうもその言葉がぴったり当たるような気がしてくる。
今日の毎日新聞を読んでいると、若い女性記者が今の若者を見て、こう書いていた。
”昔の若者を「無気力・無責任・無関心」と言うなら、今の若者は「無知・無邪気・無抵抗」か。”
ぼくは、なるほど今の若い人たちはそんなところもある、フランスの若者とは全く違うなぁ、等と少しだけ同感した。彼女は、現在の若者たちが何事にも意味を考えないで、上からの命令や世の動きに従順に従ってしまうことに危惧の念を抱いているようだ。

しかし、若者に限ったことではない。今の日本人全体が「無知・無邪気・無抵抗」なのではあるまいか。他者を知らず（知ろうともせず）、歴史を知らず、毎日バラエティや笑いを競い合うバカ騒ぎ、健康や脳づくり番組等に興じ、わがことのみに精を出し、思考を停止させ、批評やレジスタンスする気は毛頭無く、力強く単純なワンフレーズのかけ声に欺され続けている、そんな人がおそろしく増大している。
もっと恐ろしいのは、人間というものを信頼しなくなったことか。信頼が無くなったところで、「愛国心」を唱える輩がいるが、全く時代からズレ、退行していると言うしかない。問題がそんな所にないことに、全然気付いていない。
いやそうではない。彼らはむしろ、女性記者が危惧しているような社会（国家の企みに従順な国民をつくる社会）を望んでいるのかもしれない。だとしたら、もっと歴史の退行（逆戻り）、相互監視体制の下で人間の家畜・隷属化が・・・・。ああ、キムジョンイルという一人の人間が牛耳っている国に似てくる〜〜！！

さてさてこう言い切りたくはないが、壊れた人間＝動物化の時代は「退行現象」、「退化」、「思考停止」が必然なのか。・・・こんなことを考えると、気が滅入ってしまう。アルコールが入っているせいか・・・。もう早よ寐よ。