田舎家に
おばあちゃんの亡骸を置いていた朝
鶯が来て梅の木の枝に留まり
しきりに鳴いた
次の日も目覚めると
美しく鳴いた
おばあちゃんはよく山を眺めていた
黒豆をむしりながら ジャガイモを植えながら
畦に座りながら
日がな一日ながめていることもあった
トンボが飛び交い
鳥が鳴いて山に帰る
火葬の日の夜深く
遠い空から
誰かに呼ばれたようにおもって
ふと夜空を見上げると
そこには
満天の星があった
何十年ぶりだろう
この家の庭から
こんなに星がくっきりと
たくさん見えたのは
次の日から
ウグイスの鳴き声はきっぱりと
途絶えた
梅の花が家の周りで綺麗に咲いている
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