17歳、相手の顔も知らないで結婚。

aiueokaki2006-03-25

17歳
相手の顔も見ないで
この田舎の家に嫁いできて
4人の子どもを産み育てた
長男つまりぼくの父は交通事故のため40年間の車椅子生活だったが
一昨年に皮膚癌で亡くなった
次男は少し前に税理士を引退し
娘婿に後を譲り 今は好きな絵を描いている
長女は会社員で共稼ぎの息子と彼のパートナーとの3人で
静かに暮らしている
三男は未だ汗水流して商売をやって
なかなか儲からへんわ、というのが口癖だ
孫は11人 ひ孫は17人の
おばあちゃん


「ああ、おいしかった」
おばあちゃんはいつでも食後は必ずこう言った
どんなまずしい食事のときでも
「ああ、おいしかった!!」
それを聞くとこっちまでおいしく感じた
そして食べることを大切に思った

 
「気ぃつけて帰りや」
おばあちゃんはいつも何度もこう言ってくれた
自分が病気でしんどいときも
「気ぃつけて帰りや」
そう言っているような笑顔の写真がお骨の上にある


祖母は、明治40年生まれ
肺炎で少し苦しんで亡くなった
享年百歳