壊れた人間が増えてきた!!

『ネット社会の未来像』(宮台真司神保哲生東浩紀水越伸西垣通池田信夫)ー春秋社ーを読了。鋭い今日の社会分析とそこで突きつけられた価値選択、そしてその処方箋が書かれていて、今後の生き方の参考になった。


読んでいるとまたしても、「壊れた人間」が出てきた。大江健三郎に引き続いて、である。宮台真司の語るには「感情の働きが壊れた人間たちが増えた」とのこと。


「感情の働きが壊れた人間たちが増えたのは、社会の流動性と多様性の上昇によってー正確に言えば<システム>による<生活世界>の浸食化によってー子どもたちが斉一的な生育環境で育ってこなくなったことで、感情の働きのバラつきが広がったからです。 動機を理解できない犯罪の増加に象徴されるように、万人がまともな感情の働きを示すことが期待できなくなったので、社会更正よりも重罰化を、地域コミュニケーションよりも監視カメラを、要求せざるをえなくなったというのが、事ここに至った次第です。」


「壊れた人間」は「バカ」に通じ、いまや壊れた人間が多数派になりつつ・・・
壊れた人間には分からない壊い怖い話である。