公衆便所の臭い便器の前に
ぐったりへたりこんで
反吐をはいている俺
風がきつく吹いて
過去だけが残った
何杯飲んでも
渇きはとれず
夜空がカランカランと笑っている
離れたときにはじめてわかる
生温い根拠地
不安、不安、また不安
***
こんなものだった
あなたの在た所なんて
笑顔の二人の写真が
破れかけている
そこが立派なだけで
空虚ながらんどうだったなんて
そもそも事の発端は
成るにまかせられていた勃興の宴
くずれてしまえば
もういなくても
コースさえ踏み外さなければ
少なくともずーっと続くはずが
やっぱりここがわたしの
***